Microlon News Vol12
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(写真2)Mooncraft製カヤック第1号艇Microlon COMMUNICATION NEWS VOL.12 2020122020 9 30https://www.microlon.co.jp/【マイクロロンHPをリニューアル!!】お客様の声、Twitter、Facebookなど、楽しさ満載! その失敗で奮起したスタッフは、1号艇の完成から僅か2週間で2号艇を完成させた。発想を変え、従来培ってきたレーシングカーの製法を取り入れ、コア材をフォーム材ではなく、レーシングカーで使い慣れたノーメックス繊維からなるハニカム材を採用した。(写真3)ムーンクラフトはCFRPによる製造技術をレーシングカーに取り入れるため、1988年にいち早くオートクレーブ(写真4)を導入し、シャーシー、ボディの製作に着手してきた経緯がある。長年のレーシングカー開発の経験を活かし、2号艇を完成させた。ハニカム・サンドイッチ構造による一体成形、オートクレーブ成形に加え、設計オリンピック出場を目指すカヤックを制作するレーシングカーの技法でCFRP性能を最大限引き出すレーシングカーと違ってカヌーはまだ科学(分析)されていない。 ムーンクラフトは45年間培ってきたレーシングカーの技術をフル活用し、CFRPの持つ機能性を最大限に引き出しカヌーに反映させている。レーシングカーでは、この形状ならどれくらいで走れるか科学的に導き出せるが、カヤックは水の流れに対して360度の方向で動きが変化するので性能を分析するのは難しい。カヤックもCAD/CAMで設計・製作。仕上げは熟練した職人の手が必要。現在カヤック作りのノウハウを積み上げているが、将来的にはデータサイエンス化して、より汎用性の高いカヤックや、それ以外の横展開を具体化していきたい。        (写真1)ムーンクラフトが製作したカヌーMCS120に乗る足立選手(写真3)表面をCFRPで挟み、コア材にハニカムを採用したハニカム・サンドイッチ構造の一例(写真4)オートクレープ装置(写真5)ブラックボディーにブルーのピンラインが入り洗練された6号艇(写真6)カーボン繊維のパターが迫力を醸し出す6号艇の最適化を図り、軽量で高剛性な性能を引き出した2号艇は重さ8.6㎏という、これまでにない軽い競技用カヤックを生み出し、そこにバラストを貼付して規定の9kg を実現した。2号艇の完成は五輪代表選考競技大会のなんと2日前。足立選手は数回のテスト試乗しかできなかったが、2号艇で選考レースに参加すると言う。私たちに気を使って言ってくれているのだと思い「無理して使わなくても良いですよ」と伝えたが、どうやら本当に良い感触に仕上がっていたようで、このカヤックで出場し、結果2位以下を大きくぶっちぎるタイムで優勝した。カヤックにはさらに改良を重ね、10月開催の最終選考、NHK杯で4号艇を使った足立選手は総合5位と大健闘、見事オリンピック代表選手の座を手に入れた。現在は6号艇が乗艇されている。これまでの開発は、足立選手のフィードバックをベースに「全体のカーブや浮力を決定づけるボリュームなどの改良」を続けている。ムーンクラフトのカヤックはCFRPの繊維パターンを活かした真っ黒のクールな外観にコーポレートカラーのブルーラインが入ったシンプルなデザインが特徴だ。カヤックは綺麗なカラーで塗装されたりストライプで塗り分けられたり、カラフルな仕上がりが一般的。これは塗装することで個性的なカヤックに仕上げるのはもちろん、紫外線からカーボンを保護する目的もあるのだ。ムーンクラフトのカヤックが真っ黒なのは、選考会2日前に出来上がる慌ただしさで、塗装やラッピングをする時間が無かったことが理由なのだが、その真っ黒なカーボン柄の評判がすこぶる良かったのでこのまま行くことになってしまった、というのが真相。(写真6)  レーシングカーの開発・製造を主力事業とするムーンクラフトが、カヌー・スラローム競技に使われるカヤック製作を始めたのは2018年の暮れ。その2年前、カヌー・スラローム男子カヤックシングルの足立和也選手(2014年アジア大会優勝の有望選手)のコーチ、市場大樹氏から、足立選手に合ったカヤック作りを求められたのがきっかけ。カヌー・スラローム競技はオリンピック等世界規模の大会で欧州勢がメダルを独占。旧東欧諸国はボート競技を国技とする国もあり、カヤック作りも旧東欧圏に集中している。足立選手もポーランド製のカヤックを使ってきたが、市場コーチは欧州の既製品ではなく、メイドインジャパンで日本人の体形にあったカヤックの必要性を感じていた。モータースポーツが好きで、レース観戦に行くほどマニアだった彼は、ムーンクラフトなら、カーボン素材を使ったカヤックを製作できるのではないかと考えて、畑違いの由良に製作依頼をしてきた。 カヤックは2018年12月に製作を開始し、1号艇(写真2)は翌3月開催のオリンピック選考大会出場を目指して製作された。完成はなんと大会の2週間前。だが、期待された1号艇は規則で決められた最低重量の9㎏を越え、10㎏近くになってしまった。当然評価は、「重すぎる」、「申し訳ないが使えない」と。重量はカヤックの性能に大きな影響をもたらすので、本来は9㎏以下で製作され、バラストウエイトで9㎏+に調整する。カヤックが重すぎた原因は、経験の無いムーンクラフトが、欧州のカヤック製法を踏襲したことに大きな要因があった。全車種対応のエンジン保護剤Microlon SUPER HYBRID 誕生● Hybridの開発からさらに進化● 溶媒の設計をより進化させ、フッ素樹脂増量● Hybrid用より処理時間を短縮させ、速効性UPでさらなる体感● 8オンスで、なんと3000㏄までのエンジンが処理可能「もっと簡単な処理で十分なMicrolon効果を!」そんな多くのお声はとても難しい課題でした。そこで根本的な設計から見直すことにより、樹脂量の最適化を見出すことにようやく成功!これが奇跡的ともいうべき特異点の発見でした。この奇跡の組み合わせ、特異点(Singular Point)の発見により、これまでの課題を克服したのです。Microlonは、摩耗や焼き付きを起こす固体摩擦である極限状態を解決しますが、この極限状態を「1度の処理で」的確にかつ継続的にクリア。また、8オンス1本で、軽自動車からなんと「排気量3000ccまで」のエンジンを処理することができるようになりました。 一度の処理で今まで以上のMicrolon効果を実現できるのです!これはきっとご満足いただけることでしょう。新発売

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